かねてから対戦が噂されていた「タイソン・フューリー VS フランシス・ガヌー」がヘビー級プロボクシング公式ルールで対戦決定。この試合は2023年10月28日(土)サウジアラビア・リヤドにて開催予定となっています。
タイソンフューリーはイギリス出身のボクシング現WBC世界ヘビー級王者でプロボクシング戦績無敗、一方のフランシスガヌーはカメルーン出身の元UFCヘビー級王者で"MMA史上最も重い打撃"を持つストライカー。
無敗のボクシング王者とMMA(総合格闘技)最強ストライカーのヘビー級対決、「タイソン・フューリー VS フランシス・ガヌー」について紹介していきます。
「タイソン・フューリー VS フランシス・ガヌー」はDAZNでPPV配信されます。ヘビー級ボクシング王者VS元UFC王者のメガファイト「Battle of the Baddest(人類最凶決定戦)」をライブ配信で楽しみましょう!
タイソン・フューリーとフランシス・ガヌー│プロフィール&経歴
【現WBC世界ヘビー級王者】タイソン・フューリー
タイソン・フューリー
生年月日(年齢) | 1988年8月12日(34歳) |
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出身地 | イギリス・グレーター・マンチェスター州マンチェスター |
身長/リーチ | 206cm/216cm |
ボクシング戦績 | プロ:34戦33勝(23KO)0敗1分/アマチュア:35戦31勝(26KO)4敗 |
獲得タイトル | 元WBA世界ヘビー級スーパー王者/IBF・WBO世界ヘビー級統一王者。現WBC世界ヘビー級王者。 |
その他 | 本名はタイソン・ルーク・フューリー。長身&リーチを活かしたオーソドックスのボクサータイプ。 |
タイソン・フューリーはイングランド・マンチェスター出身のボクシング王者。
フューリーはチャンピオンとしての指名試合に応じないことやドーピング違反、普段の素行など問題児としても有名なものの正真正銘ヘビー級屈指の実力派ボクサーです。
フューリーはこれまでWBA・IBF・WBOとボクシング主要団体のヘビー級王座を獲得。現在はWBC世界ヘビー級王者で、プロ戦績34戦33勝無敗を誇る"最強のヘビー級ボクシング王者"として君臨。
ジプシー(ヨーロッパの移動型民族)を出自に持ち、フューリーのニックネーム"ジプシー・キング"の由来となっている。
ちなみにタイソン・フューリーの父ジョン・フューリーも元ボクサー(ベアナックルファイト(=素手ボクシング)も経験)で、タイソン・フューリーの名前の由来は"ヘビー級ボクシングのレジェンド"マイク・タイソンへの憧れからきている。
タイソン・フューリーは勝利者マイクで歌を披露することでも有名で、これまでエアロスミスの「ミス・ア・シング」や、ドン・マクリーンの「アメリカン・パイ」をリングで熱唱。
また、これまで何度か引退表明しているものの、引退宣言した数時間後にSNSで「あれは嘘だ」などと言った感じで引退撤回をしてファンや関係者を困惑させてきているお茶目さ?も持っており、ヘビー級ボクサー屈指の実力者ながら掴みどころがないキャラでもある。
余談ですがタイソン・フューリーは2019年オットー・ワーリン戦のあと10月にアメリカのプロレス団体WWEでプロレスデビューも果たしています。デビュー前にプロレスならではの乱闘も披露、ブラウン・ストローマンと対戦しプロレスデビュー戦を勝利で飾っています。
タイソン・フューリーのファイトスタイル│フランシス・ガヌーとの相性は?
タイソン・フューリーは身長206cm/リーチ216cmと、近年ますます大型化傾向にあるヘビー級ボクサーのなかでもトップクラスのサイズの大きさを誇っている巨漢ボクサー。
大柄な体躯からパワー系のハードパンチャーをイメージしがちですがタイソン・フューリーのボクシングスタイルは決して豪快なKO狙いではなく、派手さはないものの長いリーチを活かして削っていく"ヘビー級屈指のテクニシャン"タイプ。
基本的には槍のようなジャブでコントロールしていくアウトボクサーなフューリーですが、近距離でもコンパクトなパンチ&ボディワークで巧さをみせます。
フューリーの体重は125㎏前後。一方スティペ・ミオシッチとのUFCヘビー級タイトルマッチ時のフランシス・ガヌーが119㎏と、フューリーとガヌー両者の間には約5~6㎏の体重差があります(ガヌーがさらにビルドアップしてくる可能性もある)。
フランシス・ガヌーはボクシングルールでタイソン・フューリーに勝てるのか?両者のファイトスタイルの相性から考察してみましょう。
"MMA史上最強の重い打撃"の持ち主フランシス・ガヌーですが、フック系のパンチが多く接近戦でこそガヌーのの破壊力抜群の打撃は活きてくるもの。
一方のタイソン・フューリーは"当てさせず当てる"アウトボクシングに長けており、これまでさまざまなタイプの世界レベルのボクサー相手に自身のボクシングスタイルを貫き通して勝利してきています。
ガヌーにとってフューリーは打ち合いをさせてくれない、かなり相性の悪い対戦相手といえる
「タイソン・フューリー VS フランシス・ガヌー」はヘビー級でのアウトボクシングを極めたフューリーには触れさせてもらうこと自体が難しい、ガヌーにとってハードすぎるボクシングマッチになりそうです。
仮に「タイソン・フューリー VS フランシス・ガヌー」がオープンフィンガーグローブ着用だったり、MMAっぽいテイストのルールであればガヌーの勝機も見えてきそうですが純粋なボクシングルールは完全に"フューリーのテリトリー”。
試合展開的には"冷静沈着なハンター"フューリーが獰猛な爪と牙を持つ猛獣ガヌーを遠間から徐々に削り、追い詰め最終的にはKOする…といったものが予想できます。
ガヌーの豪打はなかなか当てさせてもらえず、元UFC世界ヘビー級王者がボクシングの洗礼を浴びる可能性が高そうです。
とはいえガヌーの強靭なフィジカル&パワーはスペシャルな規格外であることも事実。ガヌーが純粋なボクサーにはできない"セオリーを無視したパワーファイト"に振り切ることができればボクシング史上最大級のアップセットを起こすこともあり得るかも?
「タイソン・フューリー VS フランシス・ガヌー」はDAZNでPPV配信!
【元UFC世界ヘビー級王者】フランシス・ガヌー
フランシス・ガヌー
生年月日(年齢) | 1986年9月5日(36歳) |
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出身地 | カメルーン・バティエ村 |
身長/リーチ | 193cm/211cm |
MMA戦績 | 20戦17勝(12(T)KO/3SUB)3敗 |
獲得タイトル | 第22代UFC世界ヘビー級王者(防衛1)/100% Fightヘビー級王者 |
その他 | エクストリーム・クートゥア所属。本名はフランシス・ザビエル・エンガヌー。 |
フランシス・ガヌーは第22代UFC世界ヘビー級王者で、カメルーン人としては初のUFC世界王者。"MMA史上最高のパンチ力"を誇るストライカーと目され、スタンドパンチからパウンドでの決着が多いフィニッシャー。
ガヌーはMMA戦績20戦17勝のうち12勝をパンチ&パウンドで仕留めているハードパンチャーですが、近年ではキックも織り交ぜ打撃が多彩に。自分の土俵で闘うためのテイクダウンディフェンス能力にも定評があります。
ガヌーは尊敬する人物に"最凶のヘビー級ボクサー"マイク・タイソンを挙げており、のちにマイク・タイソンが司会を務めるポッドキャストにガヌーが出演。マイクタイソンとガヌーは親交を深め、ガヌーはマイク・タイソンからボクシング技術を学んでいます。
フランシス・ガヌーの生い立ち│パリでのホームレス生活からUFC世界ヘビー級王者へ
カメルーン・バティエ村の貧しい家庭に生まれたガヌーは、6歳で両親が離婚。学校にもまともに通えず家計を助けるために9歳から働いていた。
恵まれた体格のガヌーは村では信頼され頼りにされていたものの「カメルーンで大きなチャンスを掴み、お金を稼ぐことは難しい」と悟り、ガヌーはボクシングで成功を掴むために26歳でフランス・パリを目指す。
パリでのガヌーは頼る人がおらずホームレス生活をしながらボクシングジムに通っていたが、生活費を稼ぐためにMMA(総合格闘技)の試合に出場。他団体で4連勝を経て2015年12月にUFC初参戦、UFC on FOX 17でルイス・エンリケを2R左アッパーでKOしUFCデビュー戦を飾った。
2018年1月に行われたUFC世界ヘビー級タイトルマッチ「スティペ・ミオシッチ VS フランシス・ガヌー1」ではレスリング能力の差で判定負けを喫する。
しかしその後ケイン・ヴェラスケスやジュニオール・ドス・サントスといった元UFC世界ヘビー級王者を豪打でKO、2021年3月にスティペ・ミオシッチとの再戦かつUFC世界ヘビー級タイトルマッチへ漕ぎつける。
初戦ではグラウンドで漬けられた王者ミオシッチを2R左フックでKOし、フランシス・ガヌーが第22代UFC世界ヘビー級王座を戴冠。翌年1月には当時UFC世界ヘビー級暫定王者だったシリル・ガーヌとのUFC世界ヘビー級王座統一戦に臨み、グラウンドで主導権を握り判定勝利&王座初防衛に成功している。
試合後インタビューでガヌーは試合3週間前に膝の前十字靭帯などを損傷しており、ドクターストップがかかる寸前での防衛戦だったことを明かし手術を受けている。
2023年1月14日、UFCはフランシス・ガヌーとの契約交渉が決裂したことを発表、ガヌーのUFC世界ヘビー級王座を剥奪しリリース。ガヌーは5月15日に"旧K-1レジェンド"レイ・セフォーが代表を務めるMMAのメジャー団体PFLの契約選手となっている。
タイソン・フューリーとフランシス・ガヌーが対戦するに至った経緯
ここからははタイソン・フューリーとフランシス・ガヌー、ヘビー級ボクシング世界王者と元UFC世界ヘビー級王者が対戦するに至った経緯を見ていきましょう。
フランシス・ガヌーとタイソン・フューリーが舌戦を繰り広げる
2021年3月28日、UFCヘビー級タイトルマッチ「スティペ・ミオシッチVSフランシス・ガヌー」が行われ、2Rにガヌーが左フックでKO勝利しUFCヘビー級新王者に。
ガヌーはMMAに本格参戦する前は元々ボクシング王者を目指していたためボクシング転向について聞かれると、
「ボクシング転向するならマイク・タイソンみたいなボクサーとは闘いたくないが、タイソン・フューリーとならぜひやりたいね」
と発言し、今後ボクシング転向の可能性があること、対戦したいボクサーとしてWBC世界ヘビー級王者タイソンフューリーの名前を上げている。
また、ガヌーはマイク・タイソンがパーソナリティを務めるポッドキャスト「Hotboxin’」に出演。当然ガヌーのボクシング転向についてやタイソンフューリーとの対戦についての話題となり、マイク・タイソンも「タイソン・フューリー VS フランシス・ガヌー」が実現すれば面白いと語り盛り上がっていた。
これを受けタイソンフューリーがツイッターで反応(2021年4月14日)、
「マイク・タイソン、ポッドキャスト聴いたぜ。アンソニー・ジョシュアをボコった後ならこの坊やともやってやるさ。フランシス・ガヌーとの試合は俺にとって簡単な作業だ」
とトラッシュトークを展開(ちなみにアンソニー・ジョシュア戦は諸事情により消滅)。
.@MikeTyson after I smash @anthonyjoshua I’ll roast that guy also.@francis_ngannou easy work. pic.twitter.com/CIubdSsFJC
— TYSON FURY (@Tyson_Fury) April 13, 2021
タイソンフューリーの挑発ツイートに対しフランシスガヌーは、タイソンフューリーが2019年9月に対戦し苦戦したオットー・ヴァリンとの試合(フューリーはヴァリンの左フックを被弾し47針縫うダメージを受けている)の画像を引用し、
「(タイソン・フューリーは)オットー・ヴァリン相手にこれなら、俺と闘ったらどうなると思うんだ?」
とツイートし反撃、ボクシングヘビー級王者とUFCヘビー王者のSNSでの舌戦にボクシング&格闘技ファンから大きな注目を集めています。
フランシス・ガヌーがヘビー級王者のままUFCを離脱
2023年1月、世界最大規模のMMA団体UFCのヘビー級王者フランシス・ガヌーが、UFCとの契約更新で合意に至らなかったことが判明。ガヌーはUFC最強の称号を捨てフリーのMMAファイターとなった。
UFC離脱以前のフランシスガヌーは当時UFC世界ヘビー級暫定王者だったシリル・ガーヌとの「UFC世界ヘビー級王座統一戦」に判定勝利するも、UFCからのファイトマネー&待遇に不満を持っていることを明かしている。
UFCへの不満を表明するとともにフランシス・ガヌーは現WBC世界ヘビー級王者タイソンフューリーとの異種格闘技戦への興味も公言している。
ちなみにUFCがガヌーに契約交渉で提示した1試合のファイトマネーは約800万ドル、日本円に換算すると約11億円といった破格の条件だった。
ダナホワイトの言葉通り、フランシスガヌーのUFCでの次戦の相手候補はライトヘビー級から階級アップしてくる"MMA史上最高傑作"ジョン・ジョーンズ。ガヌーがUFCから離脱したことはジョーンズとの対戦を回避する思惑があった可能性も?
フランシスガヌーはシリル・ガーヌに勝利後の会見では
「UFCの契約上、王者であり続ける代わりにこなさなければならない試合数の追加や契約期間の延長が発生する(チャンピオンクローズ契約)だったから、UFCに残るなら3試合追加&1年間の契約延長があった」
と語っています。
ガヌーはのちのインタビューで「UFCを離脱したのはファイトマネーの問題だけではない。UFCが提示してきた契約内容は俺になんの権利も自由もなかった」と語っています。つまりガヌーがタイソン・フューリーをはじめ、かねてから望んでいた「ボクサーとの試合を実現」するにはUFCの独占契約は不都合だったという訳です。
フランシスガヌーはMMA(総合格闘技)で大きな成功を収めていますが、元々ボクシング王者になることを夢見て祖国カメルーンからフランス・パリへ渡っています。
フランシスガヌーはボクシングで闘いたい相手として
- WBC世界ヘビー級王者タイソン・フューリー
- 元WBC世界ヘビー級王者デオンテイ・ワイルダー
のといったトップクラスのヘビー級ボクサーの名前を挙げています。
しかしUFCは契約している選手がボクシング団体での試合をすることを認めていないため(PPVの売り上げが大きく見込めるレジェンド同士のメガファイトならその内やりそうだけど)、WBC世界ヘビー級王者タイソン・フューリーとの試合が実現できるチャンスは「ガヌーにとってUFCのベルトを返上してでも掴みたいチャンスだった」といえます。
タイソン・フューリーとフランシス・ガヌーがリング上で初対面
2022年4月23日(土)にタイソン・フューリーとフランシス・ガヌーが公の場で初対面。
この日タイソンフューリーはロンドンのウェンブリー・スタジアムにてWBC世界ヘビー級王座統一戦に出場、正規王者タイソンフューリーが暫定王者ディリアン・ホワイトに6回右アッパーでTKO勝利。
タイソン・フューリーが試合後リングで勝利者インタビューを受けていた際、リングサイドで試合観戦していたフランシス・ガヌーをリング上に呼び込む。
タイソンフューリーがボクシングの試合後、リング上にフランシスガヌーを呼び両者が公の場で初対面。
- タイソン・フューリー「インタビューを終える前にフランシス・ガヌーをリングに呼びたいんだ。フランシス、こっちに来いよ!ESPNだぞ(アメリカの大手スポーツ専門TVチャンネル)」
- フランシス・ガヌー「俺は史上最強の男が誰なのかを知りたいんだ。今は膝を怪我してるが2、3カ月で復帰できるから彼(タイソン・フューリー)と対戦したい」
- タイソン・フューリー「(インタビュアー「彼が次の対戦相手?」)俺はボクシングヘビー級王者で、彼はUFCヘビー級王者だ。見ろよすげぇいいガタイしてるだろ?フランシス、お前は最高だよ!」
- タイソン・フューリー「フランシスお前ハンサムだな、○○は大きいのか?」
- フランシス・ガヌー「何が大きいって?(ガヌーはムッとした表情で付き合わず)」
- タイソン・フューリー「俺とフランシスが闘えばファンが今まで見たことのないスペシャルな試合になる。俺らは軽量級の格闘家とは訳が違うんだ、お互い100㎏以上のモンスター同士だからとんでもなくヤバイ試合になるぜ!」
- フランシス・ガヌー「試合が実現するなら特別ルールになるかもしれない。ボクシングのリングでMMAグローブ(オープンフィンガーグローブ)とか色んな案が出ている」
ガヌーは下品なトラッシュトークは好まないようでフューリーの発言に不快感を露わに。206cmの巨体ながら口も達者なフューリーと武骨で硬派な戦士ガヌー、キャラが対照的なのも面白い。
この時点では対戦ルールが決まっておらず、当初はMMA(総合格闘技)で使用するグローブを装着してのボクシングルールで試合といった案が出ていた模様。
のちに「タイソン・フューリー VS フランシス・ガヌー」が特別ルールのエキシビションマッチではなく、プロボクシングの公式ルールで行われることが決定しています。
「タイソン・フューリー VS フランシス・ガヌー」がプロボクシング公式戦で決定
2023年10月28日に「タイソン・フューリー VS フランシス・ガヌー」のボクシングマッチが行われることが決定、この試合はサウジアラビア・リヤドにて開催される予定となっています。
この試合の共同主催トップランク社/クィーンズ・ベリー・プロモーションズ/ギミック・ファイト・プロモーションズ(ガヌー)により発表。イベント名は「BATTLE OF THE BADDEST(史上最凶の闘い)」
「ボクシングヘビー級王者 VS 元UFCヘビー級王者」の"ヘビー級異種格闘技戦"として大きな注目を集める「タイソン・フューリー VS フランシス・ガヌー」ですが、昨今流行りのボクシングエキシビションではなく10ポイントマストシステム(10点法)で採点するプロボクシングの公式ルールで行われます(フューリー陣営の発言)。ラウンド数は3分10ラウンド。
タイソン・フューリーは現WBC世界ヘビー級王者ですが、「現在フューリーにはWBCで正式なチャレンジャーがいない」ことを理由にWBCから特別な許可が下りフランシス・ガヌーとの試合が実現。
そのためフューリーが「タイソン・フューリー VS フランシス・ガヌー」を行うことによりWBCのベルトを剥奪されることはなく、フランシス・ガヌーはMMAからの完全引退という訳ではないと思われます(ガヌーがこの試合後もボクサーとして活動するかは現在不明)。
追記…「タイソン・フューリー VS フランシス・ガヌー」の勝者にはWBCから"リヤド・チャンピオンベルト"が贈呈されるとのこと。
タイソン・フューリー
- 「ガヌーはMMA界最高のハードパンチャーらしいけど、ジプシーキングのパンチを喰らったらどうなるかな?ゴングと同時に爆弾みたいなパンチを食らわせてやるよ」
- 「リングに戻る瞬間が待ちきれない。ガヌーとの試合はボクシングの歴史に残る、時代を超えたビッグマッチになる」
フランシス・ガヌー
- 「この3年間タイソン・フューリーとリングで向かい合うことを待ち望んでいた。俺は誰もケチが付けられないMMAヘビー級王者(UFC王者)になり、今度は地球上で最もヤバイ男になるチャンスが来ている」
- 「タイソン・フューリーに忠告しておくが、リング上では常にダンス(=動き回って)しておいた方がいい。俺が触れれば彼はすぐ眠ってしまうからな」
これまでボクシング元世界王者とMMAファイターのビッグマッチは数々行われてきていますが、現役同士による「ボクシング王者 VS MMA王者」はこの試合が初。ボクシングルールで行われるヘビー級メガファイト「タイソン・フューリー VS フランシス・ガヌー」の決着を見守りましょう。
タイソン・フューリー「俺はケージ(MMA)でもガヌーを倒せる」
「タイソン・フューリー vs フランシス・ガヌー」ボクシングマッチの記者会見が2023年9月7日に行われました。会見でフューリーはガヌーに終始挑発的な態度を取り「俺はケージ(MMA)でもガヌーに勝てるぜ」と豪語。
以下、記者会見での両者のコメント。
会見での両者のコメント
- タイソン・フューリー「UFCの提示した条件を蹴って辞めた時みんなガヌーを馬鹿にしてたけど、馬鹿どころか彼は天才だよ。何故ならボクシングで俺と試合して1,000万ドル(約14億7000万円)も稼ぐからな。」
- タイソン・フューリー「ガヌーのミット打ち動画見たよ、たしかにパワーはあるな。だがリングでボクサー相手にフルパワーのパンチを当てるのは難しいってことを知るだろう。」
- フランシス・ガヌー「タイソン・フューリーはボクシングでの世界王者、だけどそれは限定的な条件下での競技の王者だ。」
- タイソン・フューリー「ボクシングが"限定された条件での闘い"?俺はケージ(MMA)でもフランシスガヌーとを倒せるぜ。ケージでも100%問題無い」
- タイソン・フューリー「ボクシングの後はケージでもガヌーと試合したい。ガヌーに勝った後はジョン・ジョーンズとMMAだ」
この2人の"水と油"感わりと好き。
「タイソン・フューリー vs フランシス・ガヌー」試合結果
「〇タイソン・フューリー VS フランシス・ガヌー×」タイソン・フューリーがスプリット判定で勝利(10R判定2-1)
ジャッジ
- 95-94ガヌー
- 96-93フューリー
- 95-94フューリー
現WBC世界ヘビー級王者タイソン・フューリーと元UFCヘビー級王者フランシス・ガヌー、「ボクシング王者VS元MMA王者」の構図で注目を集めたプロボクシングマッチは大方の予想を裏切る展開でガヌーが大善戦。
Tyson Fury takes the split decision over Francis Ngannou 🥊 #FuryNgannou pic.twitter.com/2FGcn2EoOp
— MMA Fighting (@MMAFighting) October 28, 2023
ガヌーの健闘を絶賛する声が多い一方、フューリーの試合内容を酷評するボクシングファン多数。「たしかにBADDEST BOXERだ」「この試合の本当の勝者はガヌーなのでは?」との声も。
また、最終Rではガヌーがスーパーマンパンチを見せMMAファイターらしさも見せてるよ。
フューリーは普段の実力からは程遠い動きだったことから、ボクシングルール初戦のガヌーとの試合に調整不足で臨んだ可能性も?
タイソン・フューリー
- 「フランシス・ガヌーはとんでもなく強いファイターで評判通りのビッグパンチの持ち主だった。みんなが思ってた以上に彼はいいボクサーだったよ」
- 「ダウンを取られた左フックは後頭部にヒットしていた。ボクシングにダウンは付きものだから仕方ない。俺は11カ月のブランクがあり、腕が錆び付いていたことは認めるよ。それとは関係なく彼はいいボクサーだった」
- 「まったく予定通りにはいかない試合展開で、この試合に決して台本はなかった(八百長疑惑を否定)」
フランシス・ガヌー
- 「タイソンフューリーは今日の試合で俺に勝てたけど、あの2人のジャッジに感謝するべき」
- 「(試合後 自身のYouTube動画にて)グローブタッチの時、フューリーは「さぁ学校に行こうぜ、ボクシングを教えてやるよ」と言ってきたんだ。だから俺がダウンを取った際にダンスしたのは"あんたはバッドな教師だな"って。誰が誰にボクシングを教えるって?って意味でね」
- 「今日の試合のジャッジは彼を支持した。これが結果で現実だけど、このジャッジは正しくはない。ボクシング界の恥だ。俺はボクシングでは新参者で初めから判定になれば勝てないことは分かっていた。しかし彼らは正当なジャッジをする責任があると思うよ」
- 「(今後について)契約しているPFLでMMAの試合もやるし、ボクシングの試合も1試合だけやって出ていくつもりはない。俺は両方をやるスキルがあるんだ。MMAは好きだし、今後もボクシングをやることに変わりはない」
タイソン・フューリーはボクサーとしてのフランシス・ガヌーの実力を認めリスペクトを示した。一方、僅差の判定で敗れたガヌーは判定に納得いっていない様子で「試合内容的には負けていない」といった内容のコメントを残している。
また、ガヌーのボクシング挑戦をサポートしていたマイク・タイソンは
「今夜の真のチャンピオンフランシス・ガヌー、あなたのパフォーマンスをとても誇りに思う」
とポストしガヌーのボクシング初戦を称えています。
タイソン・フューリー戦を受け、フランシス・ガヌーがWBCヘビー級10位にランクインすることが確定
現WBC世界ヘビー級王者であるタイソン・フューリーとプロボクシング初戦にしてフルラウンド互角以上の試合内容で迫ったフランシス・ガヌー。
この試合で見せたフランシス・ガヌーのボクサーとしての実力を評価し、WBCはフランシス・ガヌーがWBCヘビー級10位にランクインすることに同意したことを発表。
Francis Ngannou did an outstanding job against the WBC Heavyweight Champion and the WBC Board of Governors has agreed to rank him as No. 10 in the Heavyweight division.@francisngannou #wbcboxing #wbcuzbekistan23 pic.twitter.com/mXjhiRS9Vt
— World Boxing Council (@WBCBoxing) November 15, 2023
2023年11月現在のWBCヘビー級ランキングは以下の通り。
Champion:Tyson Fury(タイソン・フューリー)
- Deontay Wilder(デオンテイ・ワイルダー)
- Anthony Joshua(アンソニー・ジョシュア)
- Arslanbek Makhmudov(アルスランベク・マフムドフ)
- Frank Sanchez(フランク・サンチェス)
- Efe Ajagba(エフェ・アジャグバ)
- Jared Anderson(ジャレッド・アンダーソン)
- Martin Bakole(マーティン・バコール)
- Joseph Parker(ジョセフ・パーカー)
- Otto Wallin(オットー・ワーリン)
- Francis Ngannou(フランシス・ガヌー)
ボクシングヘビー級世界ランキング│現役最強ボクサーをチェック
2023年12月23日にサウジアラビア・リヤドのキングダム・アリーナで開催のイベントでは
- 「デオンテイ・ワイルダー vs ジョセフ・パーカー」
- 「アンソニー・ジョシュア vs オットー・ヴァリン」
など元世界王者2人vsランカーの試合が決定しており、10位にランクしているフランシス・ガヌーもここに絡んでくるか?
いずれにしてもガヌー戦では調整不足の感もあった王者フューリー。次戦でランカーと対戦となれば、フランシス・ガヌーのボクサーとしての真価が問われる一戦になりそうです。
追記…2023年12月23日サウジアラビア・リアドのキングダム・アリーナにて行われた「アンソニー・ジョシュア vs オットー・ヴァリン」で5RヴァリンにTKO勝利したアンソニー・ジョシュア。その"元ヘビー級3団体統一王者"ジョシュアがフランシス・ガヌーのボクシング2戦目の対戦相手に決定。
「アンソニー・ジョシュア vs. フランシス・ガヌー」詳細はこちら
「タイソン・フューリー vs オレクサンドル・ウシク」のボクシングヘビー級4団体統一戦が決定
2024年2月17日サウジアラビア・リヤドで開催されるイベントにて「タイソン・フューリー vs オレクサンドル・ウシク」のボクシングヘビー級4団体統一戦が決定。
「タイソン・フューリー vs オレクサンドル・ウシク」は2023年12月23日開催のイベントのメインカードとして予定されていたものの、フューリーがフランシス・ガヌーとの試合でダメージを負ったため延期に。2024年2月17日に決定となった。
現WBAスーパー・IBF・WBO世界ヘビー級統一王者のオレクサンドル・ウシクとのヘビー級4団体統一戦に臨むタイソン・フューリーは、
- 「ウシクも俺も現役チャンピオン同士、歴史に残るファイトになる」
- 「ウシクとの統一戦に勝ってこの世代の№1ボクサーとしてレガシーを残したい」
とウシクを挑発、しかしウシクは
「タイソン・フューリーがいくら喚こうが関係ない。俺はリングで話すよ」
とフューリーのトラッシュトークを冷静にかわしている。タイソン・フューリーがフランシス・ガヌー戦での調整不足を払しょくするコンディションを作れるかにも注目。
「タイソン・フューリー vs オレクサンドル・ウシク」の勝者は1999年11月~2000年4月のレノックス・ルイス以来、約24年振りのボクシングヘビー級4団体統一王者となる。