元K-1王者 武尊(たける)選手がアジア最大の格闘技団体「ONE Championship(ワンチャンピオンシップ)」と独占複数試合契約を結び、2023年5月9日に武尊(たける)選手のONE Championship契約会見が開かれました。
本記事ではONE Championship契約会見での武尊(たける)選手のコメントや、ONE Championshipチャトリ代表の武尊選手に寄せる期待のコメントをまとめていきます。
武尊(たける)がONE Championshipと独占複数試合契約
元K-1王者(K-1 WORLD GP世界3階級制覇王者)の「K-1のカリスマ」武尊(たける)選手が、シンガポールを拠点とするアジア最大の格闘技団体「ONE Championship」と独占複数試合契約を結び、2023年5月9日に契約記者会見を開きました。
武尊選手は2022年11月1日にK-1との契約を終了し、2023年3月にはABEMA TVとの専属試合放送契約(PPVファイター)を結んだことを発表。また、6月24日にはパリで開催される「MTGP(ムエタイグランプリ)Impact in Paris」にて「武尊 vs ベイリー・サグデン」にて復帰戦を行うことも同時に発表している。
ベイリーサグデンとの試合は「ISKA世界-61Kgタイトルマッチ(K-1ルール)」も兼ねており、この試合の勝者はISKA世界-61Kg王者となる。
また、ABEMA TVとの専属試合放送契約は武尊(たける)選手が日本人格闘家初のPPVファイターとしての契約になり、武尊選手には1試合ごとに最低1億円のファイトマネーが支払われる(さらにPPVチケットの売り上げによっては追加で報酬が支払われる)。
武尊(たける)のONE Championship契約会見でのコメント
ここからは武尊(たける)選手のONE Championship契約会見でのコメントについてまとめていきます。
- 「こんにちは武尊(たける)です。これからONE Championshipで闘っていくことになりました。6月に試合を控えてるので必ず勝ってONE Championshipで世界最強を証明していきたいと思います」
- 「チャトリ代表は僕のことを「大谷翔平のように」と活躍を期待してくれてますが、僕は大谷翔平のようにではなく「世界の武尊(たける)」になれるようにやっていくのでよろしくお願いします」
- 「チャトリ代表は今日会ってみてとても熱くて口はちょっと荒いのかなと思いましたが、日本では感じたことがないくらいの選手への愛やリスペクトを感じますね」
- 「(ベイリーサグデンとの試合へのコンディションは?)試合まで2カ月切ってアメリカでの合宿も終えコンディションは仕上がってきてます。ここからしっかり集中して最高の状身体を作りたいと思ってます」
- 「約1年ぶりの試合になるしTHE MATCH 2022で負けてからの復帰戦なんで、やっと応援してくれている皆さんに試合を観てもらえるというのと早く勝つ姿を見せたいという気持ちです」
- 「僕自身格闘家として試合に飢えてる状態でもあるので早くリングに上がって全力で闘いたい」
- 「ONE Championshipと独占複数試合契約を結びました。格闘家として現役のキャリア最終章に入っているんですけど、僕は今が一番強いと思ってるしその一番強い時期に世界に挑戦したいと思ってました。ONE Championshipはその舞台に相応しい」
- 「デビューの時からK-1に誇りを持っていて、K-1代表としてONE Championshipに殴り込みに行こうと思ってます。僕が活躍することによって日本人格闘家が注目されると思いますし、日本人にチャンスができていくと思うのでONEでも活躍できるように頑張ります」
- 「(ONE Championshipの印象は?)立ち技で言うと70㎏は世界最強が集まってるという印象。格闘技団体としても先日アメリカでの大会を成功させていたり世界的に見ても影響力がある。ファイトマネーや待遇面でも選手へのリスペクトを凄く感じます」
- 「闘いたい相手(ロッタン・ジットムアンノン)がONE Championshipにいたので。それが参戦する一番の決め手です」
- 「僕がONEで活躍することによって日本の格闘技を盛り上げ、日本対世界の対抗戦も実現できたらと思います」
2024年1月28日開催のONE165にてフライ級キックルール「ロッタン vs 武尊」が正式決定しています。
ONE Championshipチャトリ代表の武尊契約会見でのコメント
ONE Championshipのチャトリ代表も記者会見に登場、武尊(たける)選手のONE参戦について大きな期待を語っています。
- 「日本の皆さんこんにちは。私は母が日本人のハーフなのですが日本語があまり上手くないので、今日は英語で喋るようABEMAに言われています」
- 「今回は武尊選手との独占試合契約を結び、同時にABEMAとの長期契約も結んでいます。ここからONE Championshipが大きく成長していくと感じています」
- 「メディアの市場分析を行っているニールセンの調査によるとONE Championshipは今急成長を遂げており、スポーツの視聴率・影響力でONEは4位に位置していることが分かりました。同じランキングでUFCは現在9位、視聴率でも大きく差をつけています」
- 「武尊選手そしてABEMAとの協力の元、これから日本でONE Championshipをどんどん大きくしていきたい。私も日本人のハーフなので日本の武士道精神が根付いています。日本の格闘技を創造していければと思います」
- 「日本の格闘技ファンの皆さんにお知らせしたいと思います。武尊(たける)選手がONE Championshipと契約を結んだこの瞬間こそ「日本格闘技最大の出来事」だと信じております。魔裟斗選手や那須川天心選手も偉大ですが「日本のなかで闘っていた日本のチャンピオン」です」
- 「例えるなら日本のプロ野球選手と世界のメジャーリーグで闘い、世界最高のポジションを獲得した大谷翔平選手。ここにいる武尊選手が格闘技界でその偉業を成し遂げようとしているのです」
- 「これから武尊選手は世界のとても難しい相手と闘っていきます。私は魔裟斗選手や天心選手に対しビッグリスペクトを持っていますが、しかし真実を言うなら日本で闘っている限りは日本のチャンピオンに採点が甘くなることが多々あったと思います。日本で対戦したロッタン選手と天心選手の試合、皆さん結果はご存じと思います。天心選手が判定勝ちしてますが、実際に天心選手が勝ったと思っている方はどれだけいるでしょうか?」
- 「私は魔裟斗や天心にラブ&リスペクトを持ってますが彼らは野球で言えば巨人軍、日本レベルの選手です」
- 「(チャトリ代表が通訳を遮り日本語で)絶対絶対ロッタンが天心に勝った、でも日本のジャッジに騙されちゃった。世界中みんな知っている。ONEにこういう事(ひいきのジャッジ)は絶対にない。私は武尊をリスペクト、凄いガッツを持っている。ベストオブザベスト、日本の皆さん武尊を応援してください!」
- 「武尊選手と契約した理由は彼がパウンドフォーパウンドでベストの選手だから。天心選手も素晴らしいですが彼はプロボクシング転向しました。ですので武尊選手が唯一無二の最高の選手と認識しています。武尊はこれからまだまだ強く成長していきます、彼のピークはこれから」
- 「大谷翔平選手のようにこれから世界を目指していく武尊(たける)選手に日本の皆さん最大の賛辞と応援をよろしくお願いします」
- 「アメリカ・ヨーロッパ・アジアだけでなく、武尊(たける)選手はこれから世界中で闘い続けます」
追記…2023年11月30日に開かれた「ロッタン vs 武尊」対戦カード発表記者会見にて、ONEチャトリCEOは
「絶対絶対ロッタンが天心に勝った、でも日本のジャッジに騙されちゃった。世界中みんな知っている。ONEにこういう事(ひいきのジャッジ)は絶対にない」
という自身の発言をRISE伊藤代表/魔裟斗さん/天心選手に謝罪しています。
「ロッタン vs 武尊」対戦カード発表記者会見でのチャトリCEOの謝罪の言葉は以下の通り。
チャトリCEO
- 「質疑応答の前にRISE伊藤代表 魔裟斗さん 天心選手に謝罪をしたいです。前回来日し記者会見を開いた際「少し日本人に偏ったジャッジをしてるのではないか?」といった内容の言葉を強い言葉で言ってしまいました。私のその発言に関しての謝罪です」
- 「魔裟斗選手、現役時代はすごい選手で現在もその名が衰えることはありません。那須川天心選手も日本のヒーローであることに変わりありません。彼らの名を汚すつもりは全くなく、"武尊選手がONEで世界を目指す"という事で私も興奮したなかで出てしまった言葉でした」
- 「この場で今一度しっかりお詫びしたいと思います」
- 「私の個人的な意見ではあの試合(天心vsロッタン)を観た時、格闘家としてロッタンが天心に勝ったといまだに思っております。また、「武尊 vs 天心」では武尊選手が悔しい思いをしており、格闘技における三角関係が成り立っています」
- 「「ロッタンvs 武尊」にはそのような視点も加わり、結果はどうあれ史上最高の試合になるでしょう」
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武尊(たける)がONE Championshipチャトリ代表の炎上発言に苦言
武尊(たける)選手とONE Championshipの独占試合契約記者会見にてチャトリ代表は
- 「私は魔裟斗選手や那須川天心選手をリスペクトしているが、しかし彼らは「日本のなかでのチャンピオン」。日本レベルの選手です」
- 「日本で(RISE)「天心 vs ロッタン」が行われた際、天心選手が判定勝利してますが本当に天心が勝ったと思っているファンはどれだけいるでしょうか?」
- 「(日本語で)あの試合は絶対にロッタンが勝っていた、でも日本のジャッジに騙されちゃった。ONE Championshipにはあのようなジャッジは絶対ない」
と興奮気味で語り、このチャトリ代表の発言は格闘技ファンの間で炎上。
この発言はロッタンや武尊(たける)選手をはじめ、チャトリ代表のONE Championshipという団体への誇りや選手に対してのリスペクトの強さから批判的な表現になってしまったものと思われます。
しかし日本のキックボクシング界を盛り上げてきた魔裟斗さんや那須川天心選手のファンからすれば気持ちいいものではありません。
チャトリ代表は
- 「武尊選手がONEと契約したことが日本の格闘技にとって最大の出来事」
- 「武尊選手と契約した理由は彼がベストの選手で唯一無二だからだ」
と武尊(たける)選手を絶賛していますが、これに対し武尊選手は
- 「ONE Championshipは日本では感じたことないほど選手への大きなリスペクトがあって素晴らしい団体」
- 「でも今日の会見でひとつだけ納得いかなかったのは魔裟斗さんや天心くんへのリスペクトに欠けていたこと」
- 「2人とも闘ってきた場所が日本だったというだけで世界の強豪と闘って結果を出してきている。そこへのリスペクトは持ってほしい」
とチャトリ代表の炎上発言に苦言を呈しています。
ひとつだけ
— 武尊 takeru (@takerusegawa) May 9, 2023
今日の会見で納得いかなかったのは
魔裟斗さんも天心くんも
場所が日本だったというだけで
世界と戦って結果を残してきている選手。
そこへのリスペクトは持って欲しい。@ONEChampionship
その上で2人を越えれるような
試合をONEでやっていく。 pic.twitter.com/uRtA7YHEm7
武尊選手は「その上で魔裟斗さんや天心くんを超えられる試合をONEでやっていく」と宣言。期待されている「ロッタン vs 武尊」はもちろん武尊選手のONE Championshipでの活躍に期待しましょう。